アコースティックギターで、弾き語りをする時になくてはならないアイテムがギターカポ(カポタスト)。
ソロで歌を歌いながらギターを弾く弾き語りスタイルや、バンド演奏の場合でもリードボーカルの人が、ギターを弾きながら歌う場合に使われることが多いです。
今回は、アコギ初心者の方が弾き語りをする上において、必需品となるギターアイテムであるギターカポ(カポタスト)について、役割と使い方について記事にしました。
この記事を読んでカポの使い方をマスターし、ギター弾き語りの表現力向上に、お役に立てればと思います。
ギターカポどう使う?アコギ初心者のためにカポの役割と使い方を解説
カポの正式名称はカポタスト(Capotasto)と言います。
少し余談になりますが、言語はイタリア語で、意味を突き詰めていくと「指板の頭」という意味になるらしいです。
きっと、通常はギターのナット部分が0フレットの役割で、いわゆる「指板の先頭」になりますが、きっとこのナットの部分と同じ役割をするという意味合いで、この名前がつけられたのかもしれませんね。
それではギターカポについて下記の内容で解説していきます。
- ギターカポの役割
- ギターカポの使い方
ギターカポの役割
- 「key(キー)」を変える
- ギター弾き語りの表現力を高める
- なぜエレキギターの場合はカポは使わないか?
「key(キー)」を変える
カポは楽曲のkey(キー)を変えるためのアイテムです。
主に二通りの役割があります。
- 楽曲の「key(キー)」に合わせる
- 自分の歌える「key(キー)」にする
楽曲の「key(キー)」に合わせる
主にオリジナルの原曲に合わせて一緒に演奏する場合です。
アコギの練習をする際に、楽曲の練習の一環としてオリジナルの原曲に合わせて一緒に演奏する場合は、その曲の「key(キー)」に合わせてカポの装着をすることが必要です。
曲の「key(キー)」は様々ですが、カポを使いアコギでも押さえやすいコードに変換することができます。
また、アコギ初心者の方の場合で、最初に覚えたコード(曲)がkey(キー)Cだった場合など、
カポを使って自分の覚えたkey(キー)のコード進行や、得意なkey(キー)のコード進行に変換させて、CDなどの音源に合わせて演奏できるようにすることもできます。
自分の歌える「key(キー)」にする
主に自分一人で歌いながらギターを演奏する場合です。
ギター弾き語りのメインは本来歌にあり、ギターの役割はあくまでも伴奏だと思います。
歌を表現豊かにして、聞いている人の心に届くようにする上で必要なことは、自分に合ったkey(キー)で歌うのが肝心です。
key(キー)を変えた場合、それに伴い伴奏のギターもそのkey(キー)に合わせる必要があります。
イメージとしては、カラオケで言えばキーチェンジャーです。
ある曲を歌ってみて、音域が高く感じれば歌いやすいとこまでkey(キー)を下げますね?
それと同じで、バック演奏であるギターのkey(キー)をカポを使い下げます。
男性の曲を女性が歌う場合、女性の曲を男性が歌う場合もこのキーチェンジが必要です。
ギター弾き語りの表現力を高める。
- どんな「key(キー)」でも押さえやすいコードに変換できる
- 好きな「key(キー)」でアレンジの幅が広がる
- なぜエレキギターの場合はカポは使わないか?
どんな「key(キー)」でも押さえやすいコードに変換できる
カポのいいところはなんといっても、アコギでの伴奏の演奏をしやすくする、ということにあります。
原曲がハイコードを使う「key(キー)」の場合、バレーコードを押さえて単純なストローク演奏がやっとですが、カポを使い、ローコードに変換させれば、ローコード特有のギターテクニックである
- ハンマリングオン
- プリングオフ
をなど、ローコードを使った独特のギタープレイが使え、
- ストロークの他、
- スリーフィンガー
- アルペジオ
もしやすくなり、演奏の表現が格段に広がります。
例えば、
なぜエレキギターの場合はカポは使わない?
厳密にいうと使う場合もありますが、基本的にはエレキギターの場合は、カポはほとんど使いません。
その主な理由は、
- アコギは曲の歌の伴奏がメインで、なるべく歌のパフォーマンスに集中できるよう、カポを使って演奏しやすくすることが目的です。
一方、
- エレキギターの役割は、楽曲の装飾がメインとなることが多いです。
わかりやすいところでいくと、前奏や間奏などのリードギターなどがそうです。
その他、メインのパートの中でも雰囲気を作るポイント的なソロメロディーを入れたりと、いろいろな役割があります。
色んな装飾を担う上で、指板の使える領域が広いほど表現力が増えます。
カポを使うと、その分指板の使える領域が減ってしまうので、表現力という意味ではマイナスになってしまいます。
と、このような理由が主です。
ギターカポの使い方
- 装着時の注意
- カポの使い方
- カポを使って自分の得意なコード進行に変える
- 自分に合ったkey(キー)に合わせる
- こんな使い方
装着時の注意
ギターにカポを装着する際は、下記の事に注意し装着しましょう。
- ギターに傷をつけないように装着しましょう
- 指板のフレットのなるべく近くに装着しましょう
- 装着した後しっかり音が出ているか確認しましょう
- 弦のチューニングが狂ってないか確認しましょう
準備ができたら、早速カポの使い方の解説です。
カポの使い方
基本的なカポの使い方はよく、弾き語りのコード譜や楽譜に、楽曲それぞれのカポの位置の指示が書かれているので、その通り装着します。
これにより、CDなどの音源に合わせてギターが弾けるようになります。
カポを使って自分の得意なコード進行に変える
知らないコードが出てきた場合、カポを使って自分の覚えたkey(キー)のコードに置き換えることができます。
例えば初心者の方
アコギ初心者の方の場合で、最初に覚えたコード(曲)がkey(キー)Cで使われる、
- C-Dm-Em-F-G-Am-Bm-C
だった場合、カポを使ってこれらコードでCDなどの音源に合わせて演奏できるようにすることもできます。
あの曲が弾ける!【アコギ】初心者が最初に覚えるべき7つのギターコード | タカのブログ タカMind (takamind.com)
※ここからわかりやすいように、あいみょんさんの「マリーゴールド」を例として解説します。
例えば、
「マリーゴールド」は本来のkey(キー)はDです。
しかし、カポを使い、皆さんが覚えたkey(キー)Cのコードを使って演奏することができます。
「マリーゴールド」のサビの最初の部分のコード進行はカポなしの場合、
- D-A-Bm-A-G-D-Bm-G-A
です。
もちろんこのまま弾いても構いませんが、
カポを2フレットに装着することによって
- C-G-Am-G-F-C-Am-F-G
となり、key(キー)Cのコード進行を使っても、key(キー)Dと同じ音にすることができます。
(あいみょんさんご本人もこのように弾いています)
これにより、初心者の方でもCDなどの音源に合わせて演奏することができます。
自分に合ったkey(キー)に合わせる
歌を自分の好みのkey(キー)にするために、ギターの伴奏のkey(キー)もそれに合わせます。
カポを使ったkey(キー)の上げ方
原曲がカポなしの場合も、カポありの場合も、key(キー)が低いなと思う場合は、音域の合うポジションまでカポを上げ、ちょうどいいところで装着します。
カポを使ったkey(キー)の下げ方
原曲がカポありの場合
原曲がカポありの場合は、カポの位置を下げたり、カポを外せばkey(キー)を下げられます。
原曲がカポなしの場合
では、原曲にカポが無い場合のkey(キー)の下げ方は?
というと、
簡単に言うと、一旦、カポを使ったキーに変換します。
そこからカポの位置を下げていくと言うことになります。
例えば、
先ほどの「マリーゴールド」のサビの一部分の場合、
D-A-Bm-A-G-D-Bm-G-A、カポなしの場合
を
C-G-Am-G-F-C-Am-F-G、カポ2の場合
に変換しました。
つまり、
カポなしのkey(キー)Dは、2カポでkey(キー)Cと同じ
で、どちらも同じkey(キー)です。
これで音域が高く感じた場合、自分の音域に合わせるようカポを下にずらしてkey(キー)を下げます。
この場合、(C-G-Am-G-F-C-Am-F-G、カポ2の場合)のカポ2を、
- カポ1にする(原曲より半音下がる)
- カポなしする(原曲より一音下がる)
ことでkey(キー)が下がります。
この要領で、その他の一部のkey(キー)も簡単に説明しておきます。
- カポなしのkey(キー)Aは、2カポでkey(キー)Gと同じ
- カポなしのkey(キー)Eは、2カポでkey(キー)Dと同じ
- カポなしのkey(キー)Bは、2カポでkey(キー)Aと同じ
- カポなしのkey(キー)Gは、3カポでkey(キー)Eと同じ
- カポなしのkey(キー)Fは、4カポでkey(キー)Cと同じ
- カポなしのkey(キー)C#は、1カポでkey(キー)Cと同じ
そしてkey(キー)Cのコード進行を覚えたのであれば、わかりやすくすると、
- カポ1で、key(キー)C#と同じ
- カポ2で、key(キー)Dと同じ
- カポ3で、key(キー)E♭と同じ
- カポ4で、key(キー)Eと同じ
- カポ5で、key(キー)Fと同じ
- カポ6で、key(キー)F#と同じ
- カポ7で、key(キー)Gと同じ
です。
実際はカポ5以上は使いずらいですが、理論的に覚えておけば便利です。
あとは、ここからカポを下にずらして自分の歌えるkey(キー)に下げます。
こんな使い方もあります
アコースティックギターを使用して、リードギターやハイフレットをたくさん使うプレイなどで、弦のテンションを下げて(弦を押さえる力を軽くして)演奏をしやすくするために、あえてカポなしで全部の弦を半音下げてチューニングして、カポを1フレットに装着して、レギュラーチューニングに戻す。
というような使い方もあります。
以上、カポの使い方のの解説でした。
カポ選びについてはこちらの記事も参考にして下さい。
ギターカポのおすすめ!どれが使いやすい?【アコギ】初心者にも役立つお気に入りのカポ選び | タカのブログ タカMind (takamind.com)
まとめ
今回はアコギを使ってギター弾き語りなどをする上で、アコギ初心者の方にも参考になるよう、カポの役割と使い方を解説しました。
カポを上手に使えば演奏が楽になったり、弾ける曲が増えたり、歌える歌が多くなったりとメリットがたくさんあります。
是非、カポの使い方をマスタ―して頂き、ギターライフをエンジョイしてください。
それではまた
タカタカでした。